新電力事業が岐路を迎えている
2017年9月12日 / 特定規模電気事業(PPS), ニュース・新聞
許認可申請手続き専門の東京都府中市の行政書士あだち事務所の足立聖人です。
9月12日の日本経済新聞で、新電力が岐路を迎えていると伝えています。
オリックス電力が関西電力へ事業譲渡
オリックスの子会社でマンション向けの電力販売をしているオリックス電力が関西電力への事業譲渡を発表しました。
オリックス電力は新電力の2016年の販売電力量では、エネット、F-Power、丸紅新電力、JXエネルギーに続く第5位ですが、そのオリックス電力が事業の売却を決めたのは、低収益な市場環境が改善しないと判断したようです。
オリックス電力は、首都圏を中心に7万6千件の顧客を持っており、利益は出ていたということですが、環境は厳しく収益の拡大が困難との判断があったとのこと。
同社が手掛けるのはマンション単位で電力をまとめ買いして入居者に売る手法で、個別契約より安くできますが、入居者の誰かが新電力を利用していると契約に必要な意見集約が困難になります。
また、同社の電力供給先の半分強にあたる4万3千件はオリックス系列のマンション居住者で、系列物件への営業が一巡したところで見切りをつけたとの意見もあるようです。
思い切った価格設定が難しい新電力
日本の電力卸売市場の規模はまだ小さく、発電所を持たない新電力会社は既存の電力大手に対抗できるような価格で十分な電力を調達できないことに加え、電線使用料の負担も重く、値下げは5%程度のようです。
電力の小売りには400社近くが参入していますが、新電力のシェアは約8%で、その6割を上位10社が占めています。
上位にはガスや石油などのエネルギー関連企業が並ぶ一方、販売量がゼロの事業者が90社近くあるとのこと。
新電力ビジネスの難しさ
昨年の4月に始まった電力自由化ですが、電力小売事業者になるには、電力広域運的営推進機関への入会のほか、社内の体制の整備、送配電事業者との契約など、負担は小さくありません。
利益が出せると見込んで新電力に参入した新電力事業者ですが、早くも撤退というような話を聞くとビジネスの難しさを感じます。
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