リチウムイオンバッテリーの輸入と電気用品安全法(PSE)
許認可申請手続き専門の東京都府中市の行政書士あだち事務所の足立聖人です。
モバイル端末、ノートパソコン、電動アシスト付き自転車など身の回りにある多くの電気機器にリチウムイオンバッテリーが使われています。
電気用品安全法の対象になるものの中で「リチウムイオン蓄電池」という電気用品名がありますが、リチウムイオンバッテリーという呼び方が一般的かも知れませんね。
電気用品安全法の対象となるリチウムイオンバッテリー
リチウムイオン蓄電池の全てが電気用品安全法の対象になるわけではなく、電気用品安全法施行令で次のように定義されています。
単電池一個当たりの体積エネルギー密度が400ワット時毎リットル以上のものに限り、自動車用、原動機付自転車用、医療用機械器具用及び産業用機械器具用のものを除く
数字で規定されているのは「単電池一個当たりの体積エネルギー密度」ですので、電池のセルを複数個使用している場合は単電池一個当たりの体積エネルギー密度から計算する必要があります。
また、用途については自動車用、原動機付自転車用、医療用機械器具用、産業用機械器具用のリチウムイオンバッテリーが対象から除かれます。
電動アシスト付き自転車は原動機付自転車とは別のものですので、電動アシスト付き自転車のリチウムイオンバッテリーは電気用品安全法の対象になります。
また、産業用機械器具とは業務用ビデオカメラ、業務用モバイルプリンタ、業務用無線機などなどが具体例として挙げられ、それらの用途のリチウムイオンバッテリーは電気用品安全法の対象にはなりません。
リチウムイオンバッテリーの技術基準
リチウムイオンバッテリーに求められる技術基準は技術基準解釈別表第九または技術基準解釈別表十二のJ62133になります。
外国から輸入する製品の場合は、IEC62133の技術基準でテストをしていることも多いと思いますが、別表第十二のJ62133はIEC62133とはイコールではないのでそれらの差分の確認が必要です。
機器に装着されたリチウムイオンバッテリーは対象外
機器に装着されたリチウムイオンバッテリーは機器の一部とみなされ、電気用品安全法の対象とはなりません。
例えば、スマートフォンで販売時にバッテリーが装着されておりユーザーがバッテリーの交換を容易にできないものは、内蔵されているリチウムイオンバッテリーはスマートフォンの一部とみなして電気用品安全法の対象外となります。
一方、スマートフォンでも裏蓋を取り外してユーザーがバッテリーを装着するタイプで、スマートフォン本体にリチウムイオンバッテリーが同梱されている場合は、リチウムイオンバッテリーは電気用品安全法の対象になります。
モバイルバッテリーの取り扱い
モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオンバッテリーは、上記の解釈からモバイルバッテリーの一部としてみなされ、モバイルバッテリー本体も電気用品安全法の対象ではありませんでしたが、2018年2月からモバイルバッテリーをリチウムイオン蓄電池として電気用品安全法の対象とするよう改訂されました。
これはリチウムイオンバッテリーの発火、発煙事故が多発していることが背景にあります。
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