輸入品の付属品のACアダプターとその変更(PSE)
許認可申請手続き専門の東京都府中市の行政書士あだち事務所の足立聖人です。
ACアダプター・充電器の輸入
バッテリーに充電して使用する機器の充電器やACアダプターを同梱している電気機器が増えています。
それら電気機器を外国から輸入して販売する際には、電気用品安全法について知っておかなければなりません。
電気用品安全法は日本国内で電気機器による危険や障害を防ぐことを目的とした法律で、指定されている対象品目の電気用品の製造、輸入、販売を規制しています。
電気用品安全法では約450品目の電気用品が指定されていますが、ACアダプターや充電器は「直流電源装置」という電気用品名で、特定電気用品に該当します。
ただし、ACアダプターや充電器は電気機器の付属品として同梱されることが多く、電気機器を輸入する際には電気用品安全法の対象になっていることを見逃すこともあると思います。
ACアダプターや充電器を付属品として電気機器に同梱して輸入する場合であっても、ACアダプターの輸入や充電器の輸入となるので、輸入事業者には電気用品安全法で定められた手続きの義務が生じます。
輸入事業の届出
電気用品を輸入した輸入事業者は、輸入した事業者名、事業者の住所等とともに輸入した製品の電気用品名を届出る義務があります。
輸入事業の届出は、電気用品安全法施行規則で定められた「電気用品の区分」ごとにする必要があります。
技術基準の適合
輸入事業者は輸入する電気用品が日本の技術基準に適合していることを確認しなければなりません。
輸入事業者が自ら技術基準の検査をして確認することは容易ではないので、外国の製造事業者や検査機関が検査した資料を製造事業者(工場)から入手して確認するのが一般的でしょう。
外国の製造事業者から検査資料を入手して確認する場合でも、輸入事業者の責任において行うことになります。
外国の技術基準と日本の技術基準はイコールではないので、外国の技術基準に適合している製品であっても、それだけで日本の技術基準に適合しているとは言えません。
適合同等証明書
直流電源装置は特定電気用品に該当するので、輸入事業者は、登録検査機関で適合性検査を受けて交付される適合同等証明書の副本を入手して保管しておく義務があります。
登録検査機関が行う特定電気用品の適合性検査は工場の検査設備も対象になることから、外国の製造事業者が適合性検査を受けて、輸入事業者は外国の製造事業者を通じて、登録検査機関が交付した適合同等証明書の副本を入手することが多いと思います。
適合同等証明書には有効期限があるので、有効期限後にもその製品を輸入・販売のであれば、更新した有効な適合同等証明書を入手して保管しておかなければなりません。
ちなみに直流電源装置の有効期限は5年です。
自主検査
輸入事業者は輸入した電気用品の技術基準のに適合性について検査をして、その結果の記録を3年間保管することが義務付けられています。
この自主検査は輸入事業者が自ら実施することもありますが、輸入品の場合は外国の工場から完成品の検査記録を入手して確認するのが一般的だと思います。
PSEマークの表示
これらの輸入事業者に定められた義務を履行した事業者は、その証として製品にPSEマークを表示することができます。
直流電源装置は特定電気用品に該当するので、菱形のPSEマークと登録検査機関名と合わせて輸入事業者名を表示します。
PSEマークの表示がないとその電気用品は販売できません。
ACアダプター・充電器の変更
付属品として電気機器に同梱されていることが多いACアダプターや充電器ですが、外国の製造事業者の都合によってACアダプターや充電器を変更することがあります。
機器本体は変更なくてもACアダプターや充電器の変更は、経済産業省に届出している内容の変更にあたる可能性がありますので、届出が必要かどうかを確認して、必要に応じて届出の手続きをしなければなりません。
また、変更されたACアダプターや充電器が、技術基準の適合確認の検査資料や適合同等証明書とは異なる場合は、変更されたACアダプターや充電器についてもそれらの資料を入手して保管しておかなければなりません。
外国の製造事業者に限りませんが、入手が困難になった場合やコストカットのために同梱品を変更する事がありえるので、外国の製造事業者とのコミュニケーションをとって、情報を入手しておくようにしたいものです。
電気用品安全法に関する手続きは行政書士あだち事務所がお手伝いいたしますので、お気軽にご相談ください。
主な取扱い業務
お問合せは ☎042-306-9915まで。